サワディーカップ。タイ在住16年の「たきんにょ」です。
今日は、タイでは女性が本当に良く働くと言う話をしたいと思います。
なぜタイ女性は良く働くのか。仏教からの考察。
タイで仕事をしていて、色々な会社や役所などを訪問しますが、どこに行っても働いている人の8割くらいは女性です。マネージャークラスや役員クラスでも女性がほとんどです。その他、街中の屋台やレストランで働いているのも女性ばかりです。
「タイ人の男性達はいったいどこに?」
「なんかタイの人口比率、おかしくないですか?」
と感じた方も多くいらっしゃるかと思います。これは、タイの仏教に関係していると私は考えています。
タイの仏教は小乗仏教であり、日本の大乗仏教とは教えが異なります。戒律は非常に厳しく、男性しかお坊さんになれません。そして、お坊さんの衣服に女性が触れる事は許されません。もし偶然でも触れられてしまうと、そのお坊さんは修行を最初からやり直しです。ですので、タイの女性達もお坊さんがいると、距離を取って、触れないように注意しています。
私がある日本に長く住んでいたタイ人から聞いた話なのですが、日本の大乗仏教とタイの小乗仏教では、分かりやすく例えると、大きく乗るか、小さく乗るか、であり、これは天国に行く船の大きさの違いとの話です。大乗仏教では、みんなで一緒に大きな船で天国に行きましょうとの教えになりますが、小乗仏教では船が小さいので、身内しか乗れません。かつ、その船の船頭ができるのは男性のみとなります。タイ人は年頃になると一度は出家をします。それは母親や妻などを天国に連れて行ってあげるための船頭の修行をするためとの意味があります。1週間だけのプチ出家みたいな人もいますが、それでも出家して誇らしい、との事で周りからチヤホヤされます。
さて、そんな文化だとどうなるか。。。まずは男として生まれると、特に母親から甘やかされて育ち、忍耐力のない、わがままな子が育ちます。そして年頃になり出家をした日には、母親としては、
「なんと親孝行な息子だ。あとは遊んでいて良し。私が養う。」
となってしまうのだそうです。と言う訳で、男性はあまり勤勉な人は少なく、女性が一生懸命に働く世の中になってしまうのだと考えます。
実際に採用面接をしてみると。。。
仕事上では、今まで新たなスタッフを入れるために、何十回もタイ人の採用面接をして来ました。まずは応募して来る数からして圧倒的に女性が多いです。そして、しっかりしている人もほぼ女性です。一方、たまにいる男性の候補者も何度か面接したことがありますが、まぁ、9割はダメですね。面接時は良いかなと思って試しに雇ってみて、失敗した事も何度かあります。でもたまに、光る優秀な人材がいたりするので、男性でも一応、面接はするようにしています。
女性ばかりの職場での注意
と言う事で、自ずと職場には女性が多くなってしまうのですが、すると今度は、女性同士でのグループ化、派閥化と言った問題も出て来たりします。前回の話でも書きましたが、タイ人は会社の居心地を重視しており、一緒に働く人が好きじゃないとの理由でも辞めてしまったりもします。その防止策として、私が採用時に心掛けているのは、
「同じ年頃の女性は、なるべく3人以上は雇わない」
「スタッフの年代をなるべくバラけさせる」
と言う事です。すると、年上には少なからず気を遣うタイ文化ですので、あまり争いは起きなくなります。
余談ですが、たまにニューハーフの方が会社で普通に働いていたりします。私のスタッフとして雇った経験はないのですが、ニューハーフの方がいる会社の日本人に聞いた話では、他の女性のように良く働く上に、力仕事は男性の体力でできるので非常に重宝しているとおしゃってました。確かにそれも良いかもしれません。
とにかく日本人管理者としては、タイ人と仕事をするには、色々と苦労や気遣い疲れが絶えません。それでも、タイ人と一緒に働き、お互いが助け合い、成長しながら今を過ごせている事に、私は感謝しています。タイの文化を理解しながら、より良い関係を築いて行けるように、これからもタイで過ごして行ければと思います。
本日も読んでいただき、ありがとうございました。コープクンカップ。