タイで現地採用と駐在員の両方を経験し、そのメリット・デメリットの比較を考えてみた。

タイで仕事
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サワディーカップ。タイ在住16年の「たきんにょ」です。

今日はタイでの仕事ネタを書こうと思います。
私がタイで働き始めた時は「現地採用」として働き、色々あった後、現在は別の会社で「駐在員」として働いています。
(私の略歴はプロフィールページでご確認下さい。)
その両方の経験から、私が考えるそれぞれのメリット・デメリットと、そしてこれからタイで働いてみたいと言う方へのアドバイスを書いてみようかと思います。

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「現地採用」と「駐在員」の違い

①「現地採用」とは

現地の日系企業や外資系企業、または現地ローカルのタイ企業などに直接雇用される形態です。
自らの意思で、望んでその国を訪れて働く事になるので、就職先や仕事の内容を選べる自由度に優位性があります。そして、任期がないので、よっぽどの事がない限りは、タイにいる事ができます。
しかし待遇面では、その働いている現地の会社の就労条件にもよりますが、日本で働く正社員のようには充実していない面が多々あります。

②「駐在員」とは

日本で正社員として雇用された人が、会社の命を受けて海外拠点に赴任する形態です。
必ずしも自らが望んで海外に出て来る訳ではなく、その国の生活に適応できなかったり、仕事の責任範囲の拡大により不慣れな業務にストレスを感じたりと言った苦労もあります。また、任期があるので、「帰りたいのに帰れない」とか、その逆で「帰りたくないのに帰らされる」と言った事、また「別の国に赴任させられる」と言った苦労も考えられます。
その苦労の分、待遇面では日本にいる時よりも会社から手厚い恩恵を受けられる事になります。
通常、タイ赴任の駐在員には、海外赴任手当の支給、現地住宅手当の支給、海外医療保険の支給、ドライバー付き移動車の支給、年1~2回の日本一時帰国航空券支給などの待遇付与が一般的です。

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「現地採用」として実際に働いてみて思った事

私が「現地採用」として働き始めたのは2004年の事ですが、その頃は今ほど日本人が多くなく、これからタイが益々発展すると言う始まりの時期でした。
【参考情報】 在タイ邦人数比較
  2004年在タイ邦人数=32,442名(出典:在タイ日本大使館
  2019年在タイ邦人数=75,647名(出典:在タイ日本大使館
   ※この15年で2.3倍となっています。
そして私はその会社には現地採用第1号で入社しましたが、駐在員は10人ほどいました。みなさん優しい人達で、現地採用だからとの偏見はなく、普通に同じ会社の後輩として色々な相談にのってくれたり、食事も随分とご馳走になったりしました。
その後、6年半で日系企業のタイ進出が進み、タイ経済も発展し、私の働いていた会社では従業員数が5倍、日本人は駐在員25人、現地採用25人と大きく発展しました。非常に良い時代に働いていたと思います。
尚、給与については、入社当時は転職前の日本での給与よりはかなり下がりましたが、待遇面として、海外医療保険の支給、ドライバー付き移動車の支給、年1回の日本一時帰国航空券支給と言った好待遇を最初から付けてもらっておりました。
その頃の雇用形態は1年毎の契約更新制だったのですが、実力が認められれば、日本ではなかなか得られないような昇給率で給与を上げてもらえる制度がありました、その会社には6年半勤めましたが、その間に給与は2倍以上になり、役職も日本で言うところの部長級の管理職にまでなりました。私の毎年の給与交渉の相手となる駐在員の人からは、
「日本とは違い、実力があれば年度交渉で給与も役職も飛躍的に上がる。それは、非常にうらやましい。」
との事も言われていました。その会社にはタイ人の役員も何人かおり、その人達は実は駐在員よりも年収が高かったらしいです。
私の話は一昔前の事であり、日系企業各社が日本人の現地採用を取り始めた時期で、今とは環境が違うかもしれません。非常にラッキーだった事もあると思います。しかしながら、待遇面を上げる為には、やはり現在でも、自分自身の頑張りと、結果を出す事が最重要な事だと考えます。
昔はただ日本人である事と、タイ語が少し分かる程度、それだけで未経験でも現地採用の口があった時代です。質があまり良くない日本人現地採用者もいたとよく耳にしました。しかしながら今は、そう言った人達は淘汰され、もしくはより頑張るようになり、質の高い日本人の現地採用が増えて来ているとの印象を持っています。
現地採用として求められる仕事としては、日系企業や現地在住の日本人の顧客への日本語によるサポートの他、タイスタッフと現地駐在員や日本人関係者との橋渡し役などの業務が主となります。それ故、日本でのビジネスマナーやスタイルを理解し身に着けており、かつ、タイ語能力が高ければ相当貴重な人材との事になります。企業側としても、タイの言葉や文化を理解しながら、仕事の結果を出せる人材を重要視するようになって来ているので、それ次第で待遇も変わって来ると思います。ですので、現地採用とは実は非常にやりがいのある形態だと私は思います。

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「駐在員」として働いてみて思う事

と、今まで現地採用のやりがいや魅力との事で書いて来ましたが、現在の私は実は別の会社で駐在員として働いています。
以前の現地採用の時には無かった住宅費支給や海外赴任手当と言ったものがあり、色々な面で確かに優遇されているとは思います。しかしながら、日本の会社を代表して派遣されて来ている訳で、その分、顧客や日本本社からのプレッシャーと言った事も多くあります。また、意外と体力と神経を使うのが、社内や顧客の出張者のフルアテンドです。日本から出張者が来て、もし何かあったら駐在員の責任ともなりかねません。安全に健康で日本に帰っていただくまでアテンドする事が実はとても気を遣って大変だったりします。以前、現地採用として働いて頃には、駐在員達が色々とつらそうで、時には悩んでいる姿もなんとなく見ていたので、そう言う事だったのかと、今は身をもって体験している感じです。
私の場合は、タイ語やタイ文化もある程度は分かるし、タイでの仕事にも慣れている方なので、まぁなんとかかんとかやって行けてますが、これが、今までタイに縁もゆかりも興味もない人が、突然の会社の命令で来て仕事と生活をするとなると、それだけで気が滅入る人も少なくないと思います。それだけ駐在員と言うのは大変な仕事だと思うので、会社からの待遇は当然必要なものだと考えます。
尚、現在の給与については現地採用の頃とは違って、全然上がらないですねぇ。。。昇給は日本の制度下にあるので。むしろ、タイバーツ支給額が着任した8年前より2~3割も下がっています。日本円固定で、毎月の為替変動にてタイバーツ計算して支給なので、ここ数年の急激な円安バーツ高で、タイで暮らす身としては、給与が減って涙が出そうです。。。
私の場合には、今のところ任期と言うものはなく、長く在タイできておりますが、いつ日本に帰任と言われるのかは分からず、今の自分の待遇を保つ為にも、仕事面では自分自身の頑張りと、結果を出す事が最重要な事だと考えています。
引き続き、ここタイで頑張ってみます。

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「現地採用」と「駐在員」どちらが良いのか

さて、私の「現地採用」と「駐在員」の両方の経験で思う事を書いて来ましたが、では、どちらが良いのか。
それは正直なところ、人それぞれの考え方、希望するライフスタイルなどにもよると思います。
待遇面で言えばやはり「駐在員」の方が良いかもしれませんが、希望の国に行けるチャンスは決して高くなく、もし駐在できたとしても、プレッシャーや任期と言った問題もあります。特に海外拠点がいくつもあるような会社だと、一度海外に出ると、海外要員として、また他の国へ駐在(横移動もあります)との話もよく聞きます。そう言った事も事前に考慮しながら、どちらが自分にとって良いのか選択するべきと考えます。
私の意見としては、究極的には、現地採用であっても駐在員以上の待遇を得る事が最上級なのではないでしょうか。その為には、どこの世界でもそうだと思いますが、結果を出す事だと思います。最初は誰もが初心者なので、低い給与や待遇で始まる事もあるかもしれません。しかし、結果を出す事で会社が実力を認めて、そして交渉ができる立場になる事を目指しましょう。私の周りでも、現地採用で入社後、駐在員に切り替わった友人が何人かいます。もし会社がそう言った交渉ができないような環境なのであれば、最終的には転職の道もありかと思います。

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タイでの就職先の見つけ方

1.タイ現地採用を狙う場合

私の経験からすると、タイに拠点がある人材紹介会社を利用して就職活動する事が情報量の面でベストだと思います。企業の求人情報はいつ出て、いつ募集が終わってしまうのか分からないので、そのタイミングをいかにキャッチできるかが重要なポイントとなります。それらの旬な情報は、やはり現地で知名度のある人材会社が持っています。
私が求職の場合でも求人の場合でも、よくお世話になっていたのは下記の2社です。
①パーソネルコンサルタント

②JACリクルートメント

2社とも日本人が社長で、日本人スタッフ(コンサルタント)も多く在籍しており、日本人へのサポートが充実しています。
逆に私が企業側の立場の時にも、日本人を採用したい場合には、この2社に求人サポートをお願いしています。

そして、もう一つおすすめするとすれば、Web上での求職活動です。下記はリクルート社の運営となります。
③カモメアジア転職

まずは、これら全てに取り敢えずは登録して、情報の間口を広げて就職活動をする事をおすすめします。
尚、今のご時世、SkypeやWeb会議システムでの面接も普通に行われています。わざわざ現地に出向かず就職活動ができます。本当に便利な世の中になりました。

2.タイ駐在員を狙う場合

もし今現在、日本の会社に勤めているのであれば、まずは自分の会社でタイ駐在の目があるのかの調査と行動が一番だと思います。あらかじめタイ語を習得したり、社内の人脈を使うなどして、常にタイに駐在したいとのアピールをしておくのが良いと思います。しかしながら人事は水物ですので、特に大きな会社だと順番が回って来るのはなかなか難しいかもしれません。そうであれば、他の会社への転職の道を探る事になるかと思います。

駐在員案件としては、やはり日本の人材紹介会社に情報があると思います。下記のようなところで登録して探してみると良いと思います。

①サムライジョブ②パーソナルキャリア③ミイダス

そして、意外と盲点で、実は駐在員案件があったりするのが、ハローワークです。地方の中小企業で、費用を掛けずに海外要員を求人したいとのニーズがあったりします。

④ハローワーク

これら、もしくはその他の人材紹介エージェントに複数登録して、情報の間口を広げて活動する事をおすすめします。

と言う事で、もしこれから海外で頑張ってチャンスをつかみ、活躍したいと考えている方、健闘をお祈りします。

本日も読んでいただき、ありがとうございました。コープクンカップ。

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