サワディーカップ。タイ在住17年の「たきんにょ」です。
街中には、色とりどりの看板が溢れていますよね。
実はタイでは、看板を出すと、税金が掛かるのをご存知ですか?
日本には無い「看板税」、タイ語では「パーシー・パーイ」と言います。
「パーシー」=税金、「パーイ」=看板です。
年に1回、役所で手続きして支払いをするのですが、先日、実際に行って来たので、その時の様子をご紹介します。
「看板税」の税率金額や、算定と支払い方法についてもご紹介したいと思います。
タイの「看板税」とは
①看板税の概要
タイの「看板税」とは、事業上の情報提供を目的として掲示された看板に課せられる地方税となります。
地方税なので、税務署ではなく、事業所の所在地を管轄する区役所や市役所で手続きをします。
支払いをすべき対象者は、看板の所有者になります。
看板税の金額については、看板のサイズ、記載されている言語を元に、算出されます。
看板のサイズが大きくなればなるほど、税金額は上がります。
また、タイ語のみの表記が一番安く、外国語のみの表記が一番高くなります。
②看板税を安くするためのタイ語併記
看板税の金額は、記載されている言語によって、算定額が大きく異なります。
下の表は、看板税法ができた仏歴2510年(西暦1967年)の税率と、2010年頃に変更となった税率です。
計算方法は面積500㎠当たりとなっています。
500㎠当たりって。。。なんかピンと来ないですよね。
例えて言うと、B5サイズの紙が467.74㎠なので、それより少しだけ大きい感じです。
A4サイズの紙だと623.7㎠なので、これでは大き過ぎです。
また、500㎠は、20倍すると1㎡(1m四方)となるので、その方が分かりやすいかもしれません。
3番の外国語だけの看板の場合、上表の変更税率で、1㎡(1m四方)当たり、年間800バーツとなります。
そして、1番のタイ語のみの看板と、3番の外国語のみの看板では、税率が大きく違う事が分かります。
昔はその差20倍! 変更後でも13倍! と、その差は非常に大きなものとなっています。
しかし、外国語を看板に使いたい場合には、タイ語を併記すると、なんと半額!になるんです。
これは、利用しない手はないですよね。
で、おもしろいことに、タイ語の併記は、見えないんじゃない?ってほど、小さくても良いんです。
例えば、下のベンツさんの看板。。。
Mの文字の上に米粒みたいにタイ語が書いてあります。
そして、お次はマックスバリューさんの看板。。。
こちらも各文字の上に、米粒みたいにタイ語が書いてあります。
このようなタイ語の併記方法でも、実は看板税が半額になっちゃうんです!
是非、街中の看板を見てみて下さい。きっと、小さな米粒タイ語が、どこかに書かれていますよ。
実際の看板税の支払い手続き
①看板税を支払う時期
看板税は、毎年3月に申告し、査定通知の日から15日以内に納税しなければなりません。
申告を怠った場合、納税額の10%が加算税として課されます。
そして、納税を怠った場合、納付不足額に対し、1ヶ月につき2%の延滞税が課されます。
ですので、私は、毎年3月に、忘れずに申告に行っています。
②看板税の申告をする場所
看板税は地方税なので、税務署ではなく、事業所の所在地を管轄する役所になります。
私の会社の場合には、「スアンルアン区役所」での手続きとなります。
ここの区役所は6階建てなのですが、案内板はオールタイ語だし、何度来ても、どこに行くのかいつも考え込んでしまいます。。。
しかし、一緒に行った総務のマネージャーは覚えていました。
看板税の申告手続きは「2階」です。
あれ?
なんかレイアウトが昨年と違う?
担当官の顔ぶれも、見た事ない人ばかり?
実は、人事異動があり、総入れ替えしたらしいです。
なので、昨年まで8年もお世話になっていた優しい担当官はおらず、新しい担当官との交渉です。
③看板税の金額算出(2021年から新税率の適用)
対象の看板のサイズと表記は、昨年と変更はないので、昨年のデータのままで計算してもらいます。
結果「32,916バーツ」
え~!? 昨年より高いんですけどぉ。。。
昨年までは、25,000バーツくらいだったんですけどぉ。。。
新しい担当官、なんか上乗せしてない?
と、疑いの目をしながら、ごねてみたところ。。。
一枚の紙(裏表印刷)を差し出されました。
なんと! 2021年1月より、税率が変更となったとの政府通達の紙です。
その新税率の内容と過去の税率の推移をまとめると、下の表となります。
私の会社の看板は、外国語とタイ語(米粒)併記なので、2番の項目になります。
500㎠当たり、20バーツから26バーツに値上げです。。。
昨年までの税率よりも、3割も上がっているではないですかっ!
最近、高速道路の脇にある巨大看板とか、真っ白で広告主がいないみたいだし、税収不足の対策なのかなぁ?
それで3割も値上げですか? んー。。。厳しい。
そして、最近は、電光掲示板(デジタルメディア)での看板が街中には増えています。
そのデジタルメディア看板にも、新たに税率が設定されたとの事です。
と、新しい担当官さんが、申し訳なさそうな表情で、一生懸命に説明してくれました。
上乗せしたんじゃないか? などと、疑ってゴメン。。。
新しい担当官さんも、以前の担当官さんと同じく、優しい人でした。
という訳で、最後に支払い用の資料を受け取り、申告手続きは完了です。
④看板税の支払い
先程の支払伝票には、支払い期限も書いてあり、後日、クルンタイ銀行での支払いも可能なのですが、それも面倒なので、そのまま区役所で支払いをします。
支払い窓口は、以前は1階にあったのですが、レイアウト変更で「3階」になったと担当官さんに教えてもらいました。
現金を3万バーツ以上も持って来てはいないので、小切手での支払いです。
小切手の支払先は「Bangkok Metropolitan」と書くように指示されます。
地方税なので、宛先は「バンコク都」なんですね。
という訳で、今年も看板税の支払いは完了です。
また来年3月に忘れずに来ないとです。(手帳にメモメモ)
まとめ
本日は、日本には無い、タイ特有の税金である「看板税」をご紹介しました。
「看板税」とは、事業上の情報提供を目的として掲示された看板に課せられる地方税となります。
地方税なので、税務署ではなく、事業者の所在地を管轄する区役所や市役所で手続きをします。
看板税の金額については、看板のサイズ、記載されている言語を元に、算出されます。
外国語のみの表記だと高くなってしまうので、タイ語を併記すると半額になるとの話もご紹介しました。
看板税を支払うことになった場合、毎年3月、忘れずに近くの役所で手続きしましょう。
本日も読んでいただき、ありがとうございました。コープクンカップ。