サワディーカップ。タイ在住16年の「たきんにょ」です。
最近、日本でもタイ料理がだいぶ知られて来ているようですね。例えば、「トムヤムクン」とか「ガパオライス」とか、聞いた事ある方も多いのでは?
タイ料理と言えば、「辛い」「パクチー」のイメージ?
タイ料理と言えば、「辛い!」「パクチーがいっぱい!」、「食べるのに勇気がいる!」と言うイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。でも実際には、辛くない料理も多く、パクチーもそんなには多くは使われておらず、日本人でも安心して美味しく食べられるものが多いんです。
むしろ、最近のバンコクっ子の中には、辛いものとパクチーが苦手と言う若者がいたりします。実際、昔、私の部下のタイスタッフ達と昼飯を一緒に食べに行った時、あるスタッフが、食べる前に料理の中の唐辛子とパクチーを横に除けてました。はじめは、「まさか私のために親切で除けてくれているの?」と思って聞いてみたら、「私、辛いものとパクチーが好きじゃなくて、食べられないんです。」との事、本当にタイ人?とビックリした事があります。でも、最近はそんなタイ人の若者も多いようです。
タイ料理には、大きく分けて4つの地方(中部・東北部・北部・南部)で、それぞれ特色ある料理があります。それでは各地方のおすすめ名物料理のご紹介をして行きましょう。
【中部料理①】タイの各地域から入ってきた食文化が発展した料理
中部料理は他のエリアに比べると比較的マイルドな味が多く、タイ料理の特徴である、酸味、辛味、塩味、甘味のバランスが良い料理が多いです。
トムヤムクン(海老入り酸っぱ辛スープ)
「トム」は煮る、「ヤム」は混ぜる、「クン」は海老の事です。
世界三大スープの一つとも言われている有名なスープですね。
※他の2つのスープは「ブイヤベース」と「ふかひれスープ」だそうです。
トムヤムスープには、ココナッツミルク入りの「ナムコン」と、入っていない「ナムサイ」があり、注文の際にどちらかを指定します。一般的に知られているのはココナッツミルク入りの「ナムコン」で、マイルドな味です。
尚、注文する際に「辛くしないでね」と言わないと、恐ろしく辛いスープが出て来る事もあるので、ご注意を。ちなみにタイ語で言うなら「タム・マイ・ペット」で通じると思います。「タム」は作る、「マイ」は否定のnot、「ペット」は辛いの事です。また、英語もどきで「ノー・スパイシー」でもだいたい通じます。
一方、「ナムサイ」の方はココナッツミルクが入っていないので半透明で、酸味が強めのスープになります。日本人的には、やはりマイルドな味の「ナムコン」の方がおすすめです。
トムヤムスープには、海老の他、鶏肉が具の「トムヤムガイ」や、シーフードをミックスした「トムヤムタレールアムミット」など、色々なバリエーションもあります。気分により具を変えてみるのも良いです。私は複数の具を楽しみたいので、「トムヤムタレールアムミット」派です。もちろん「ナムコン」で。おすすめです。
ガパオムーサップ(豚ひき肉のガパオ炒め)
「ガパオ」はホーリーバジルの葉、「ムー」は豚、「サップ」はひき肉の事です。
最近は日本でも「ガパオライス」として、だいぶ有名になって来たようですね。
豚ひき肉とホーリーバジルを、唐辛子、にんにく、オイスターソース、醤油みたいなソースで炒めたものです。
こちらも、注文する際に「辛くしないでね」と言わないと、恐ろしく辛い料理が出て来る事もあるので、ご注意を。
豚ひき肉以外で、具を変えたものも多くあります。例えば、鶏肉なら「ガパオガイ」、シーフードミックスなら「ガパオタレールアムミット」など。
そして私が大好物としているのは、「ガパオムークロープ」です。「クロープ」はカリカリ揚げの事です。豚の皮の部分がカリカリで、肉の部分はジューシーなものを、ガパオ炒めしたものです。最近の昼飯では週2~3回、食べてます。超おすすめです。ちょっとカロリーは高そうですが。。。
ゲーン・キアオワーン(グリーンココナッツカレー)
「ゲーン」はスープ、「キアオ」は緑、「ワーン」は甘いの事です。
こちらも日本では、有名になって来ていると聞きます。具は鶏肉、鶏の血をゼラチンで固めたもの、白い小さな茄子が入っているのが一般的です。稀に豚肉が入っているものもあったりしますが、やはり鶏肉の方が美味しいです。
こちらの料理は屋台とかでは既に作り置きになっている場合が多いので、注文時の辛さ調節は無理です。若干辛めの店もありますが、一般的には辛さ控えめで作られているので、多分、普通に食べれると思います。もし辛かった時は、あきらめて他の料理を食べましょう。
ヤムウンセン(春雨サラダ)
「ヤム」は混ぜる、「ウンセン」は春雨の事です。
ちょっと酸っぱめに作られています。こちらも、注文する際に「辛くしないでね」と言わないと、恐ろしく辛い料理が出て来る事もあるので、ご注意を。
具については、シーフードミックス+豚ひき肉+セロリっぽい野菜+トマトが一般的です。具を指定して頼むとの事は基本しません。そのお店のお任せの具で楽しみましょう。
但し、私はメニューに載っていなくても、わがままを言って注文するものがあります。「ヤムカイダーオ」です。「カイダーオ」は目玉焼きの事です。春雨の代わりに、目玉焼きを適当な大きさに切ったものに替えて作ってもらいます。ヤムウンセンがある店で、過去に作れないと言われた事はありません。だって卵の目玉焼きですから、材料に無い店はありません。かなり美味しいし、メニューに無い料理を頼むと言うちょっとした特別感で悦に浸れたりします。是非一度、お試し下さい。
【中部料理②】タイ華僑の中華料理から発展した料理
そして中部料理には、中華の影響を受けた料理も多くあります。タイ華僑は広東省出身者の子孫が多く、広東料理から発展した料理が多いようです。
クイッティアオ(タイラーメン)
「クイッティアオ」とは、中国潮州料理の「粿条」(コエティオウ)が語源とされています。
スープ・麺・具は多岐に渡り、その日の気分により自分好みにアレンジします。
スープの種類
まずスープですが、豚・牛・鳥・アヒルなどの出汁スープがあります。
一般的には豚の出汁スープを多く見ますが、日本の豚骨ラーメンとは違い、透明のスープとなります。そして、オプションとして、味変が出来る事が多いです。
例えば「トムヤム」味。トムヤムペーストを入れるだけですが、トムヤムクンのような酸味と辛みとまろやかさがプラスされます。結構、辛い場合があるので、頼む時はちょっとだけ覚悟が必要です。
次に「イェンタフォー」味。発酵させた赤い豆腐のペーストを入れるのですが、梅干しのような、なんとも言えぬ酸味とまろやかさがプラスされます。スープは綺麗なピンク色になりますが、辛くはありません。
そして「ナムトック」味。湯通しした牛や豚の血を入れます。血といっても生臭さなく、コクが加わります。スープは濃い茶色で、辛くはありません。
そしてそしてスープ無しバージョンもあります。「ヘーン」と呼びますが、スープは無く、焼きそばと油そばの間のような感じでしょうか。辛くはありません。親切な店だと、小さなお椀にスープを別でくれたりもします。
おっと、言い忘れました。味変無しのオリジナルの透明スープのままの場合には、「ナムサイ」と言いましょう。
麺の種類
次に麺ですが、米の麺、小麦の麺、その他、色々とあり、注文する際に指定します。
まず米の麺ですが、太さ別に3種類あります。平たくで2cm幅くらいの「センヤイ」、普通のラーメンの太さくらいの「センレック」、極細面の「センミ―」があります。
そして日本人に馴染みの小麦の麺は「バミー」と言います。日本の麺と比べると、やや粉っぽい場合も多いです。
その他としては、インスタント麺の「マーマー」、春雨の「ウンセン」、麺無し野菜追加の「ガオラオ」などがあります。
それぞれ美味しいので、その日の気分で選びます。
味付けは自分で調節
スープについては、基本的にはやや薄味で、全く辛ないスープも多いです。それは、テーブルに来てから、自分好みの味付けに調整するためです。テーブルの上には「クルアンプルン」と言う4種の調味料が置いてあります。「ナムターン(砂糖)」、「プリックポン(唐辛子の粉)」、「ナムソム(酢)」「ナムプラー(魚醤)」です。特に砂糖に関しては、日本人の常識だと「えっ?まじ?」となると思いますが、入れるとコクが出たりします。タイ料理の神髄は「甘・辛・酸っぱ」ですので、試しにちょっと入れてみて下さい。意外とクセになるかもです。尚、唐辛子の粉は少しでもめっちゃ辛いです。入れる時はご注意を。
と言う事で、その日の気分によって、世界に一つのオリジナル味のタイラーメンを楽しんでみて下さい。
カオマンガイ(茹で鶏ご飯)
「カオ」は米、「マン」は脂肪分、「ガイ」は鶏の事です。鶏の脂で白米を炒め、そして鶏を茹でたスープで炊いたご飯に、茹でた鶏肉のぶつ切りを乗せた料理となります。
この料理の発祥は中国海南省で、「海南鶏飯」と言う料理とほぼ同じ作り方だそうです。唯一違うところは添えられているタレの味だそうです。タイのタレはニンニク、生姜、唐辛子が効いています。お店により秘密のレシピもあるようで、味も少しずつ違います。お気に入りのタレの店を探すのも楽しいものです。
また、注文する際、鶏皮が苦手な方は、皮無しでの注文もできます。皮の事は「ナン」と言います。皮付きで食べたい時は「アオナン」、無しで食べたい時は「マイアオナン」と注文しましょう。「アオ」は欲しい、「マイ」は否定のnotの意味です。
そして、上に乗せる鶏肉ですが、2種類あります。白い茹で鶏と、揚げたチキンカツの2種類です。揚げる事を「トート」と言います。よって、チキンカツライスだと「カオマンガイトート」になります。両方を食べたい欲張りな方にはハーフ&ハーフのミックスも可能です。
カオマンガイは、とにかく日本人の口には合う料理です。出張者や旅行者をタイ料理屋にご案内する機会も多いですが、様々なタイ料理の中でも、カオマンガイが一番人気です。
ジョーク(タイお粥)
「ジョーク」は、中国広東語の「粥」(ジョッ)が語源とされています。
タイのお粥には2種類あり、「ジョーク」は米粒がほとんど溶けて残っていない、ドロドロの状態のお粥です。一方、米粒が残って、雑炊みたいな状態のお粥は「カオトム」と言います。「カオ」は米、「トム」は煮るの意味です。
どちらのお粥も美味しいですが、特に体調が悪い時には、「ジョーク」の方が食べやすくて良いです。
お粥は出汁で煮られており薄味が付いています。そこに豚ひき肉団子やレバーや腸など細かく切った内蔵が入っています。生姜や分葱なども入り、日本人には非常に食べやすくホッとする味の料理です。お好みで温泉卵も入れられます。
そのままで充分に美味しいのですが、クイッティアオ同様、卓上には4種の調味料「クルアンプルン」が置いてあり、自分好みの甘辛酸っぱ味にして食べたりもします。
パックブンファイデーン(空心菜炒め)
「パック」は野菜ですが、「パックブン」で空心菜です。そして「ファイ」が火、「デーン」は赤です。空心菜を、チリチリに熱した中華鍋で一気に炒める際、赤い炎が上がる事から名付けられたようです。
空心菜をオイスターソースとトウチー(豆豉)と呼ばれる中国味噌で炒めた料理です。タイ風にニンニク、唐辛子、ナンプラー(魚醤)も入っています。シャキシャキした食感が美味しい料理です。
尚、店によって、恐ろしく辛い状態で出てくる場合もあるので、辛いのが苦手な方は、注文する際に「辛くしないで」の一言を忘れずに。
と言う訳で、まずは代表的な中部料理をご紹介してみました。まだまだ美味しい中部料理はあるのですが、取り敢えず、この辺にしておきます。
東北部・北部・南部の料理
昔から美味しいものが大好きで、美味しい料理の話になると、ついつい夢中になってしまいます。中部料理だけで、すっかり長い文章になってしまいました。まずはこの辺で一旦、話を区切っておきます。東北部・北部・南部の料理は、後編に続きます。
それにしても、タイ料理はついつい美味しくて食べ過ぎてしまいます。そして、お腹が出て来てしまいがちです。事実、一時は体重が今より7~8kg多く、お腹ぽっこりでズボンがキツキツの時期がありました。でも今はすっきり、ズボンも普通にはけています。私のダイエット対処法はまた別の機会に書いてみようと思います。しばらくお待ち下さい。
本日も読んでいただき、ありがとうございました。コープクンカップ。