サワディーカップ。タイ在住17年の「たきんにょ」です。
さて、タイには多くの銀行がありますが、在タイの日本人の方々は、バンコク銀行、カシコン銀行、アユタヤ銀行、SCB銀行といったところに口座をお持ちかと思います。
しかし、クルンタイ銀行をメインにしているという方は、少ないのではないでしょうか。
今回ご紹介するクルンタイ銀行は、ある意味、特殊な銀行で、利用する必要に迫られる場面がある銀行です。
それは税金関係の処理をする時の、唯一の指定銀行であるからです。
在タイの日本人で関係する場面としては、所得税の還付金の受け取りが挙げられます。
タイで収入を得る人は、1月から12月の1年間の所得を確定申告する必要がありますが、その結果として還付金がある場合、その受け取りは、クルンタイ銀行でしかできません。
ですので、税金還付金を受け取るには、クルンタイ銀行で口座開設が必要となって来るわけです。
そして、このクルンタイ銀行、実は、窓口が塩対応との噂で有名?だったりします。
本当にそんな塩対応なんてあるの?
たまたま対応してもらった行員さんが塩対応だっただけではないの?
との疑念もあり、私も先日、クルンタイ銀行に行って、口座開設して来ました。
さて、その結果は???
その時の様子をご紹介します。
クルンタイ銀行とは
クルンタイ銀行(通称:KTB)は、タイ財務省直轄の国営銀行です。
タイの銀行の大きさの順位としては、2021年の資産ベースで第3位の大手銀行です。
そして、他のタイ大手銀行とは違って国営なので、政府関係の手続きに優位性を持っていたりします。
例えば、法人部門では、政府主導のプロジェクト(例:中小企業への低金利融資)などに多く関与していますし、土地事業税などの税金支払いなども、クルンタイ銀行の窓口でしかできなかったりします。
また、個人部門では、国家公務員の給与振込に使われていたりします。
そして先程ご紹介した通り、個人所得税の還付金は、クルンタイ銀行でしか受け取りができません。
特に昨年2020年度には、タイ政府からの景気刺激策の一貫として、最大3万バーツまでの買い物を、年間所得から控除できるという制度が公布されました。
その制度を利用して、2021年3月末迄に確定申告をしたことで、税金が還付された人も多かったのではないかと思います。
タイでは例年、タイ正月のソンクラーン期間や年末などに、こういった景気刺激策がよく打ち出されたりします。
それら制度を利用して、還付金を得る場合には、必ずクルンタイ銀行での受け取りが発生するわけです。
その時のためにも、クルンタイ銀行で事前に口座開設しておくと便利です。
塩対応と噂のクルンタイ銀行での口座開設
①まずは店内の様子と、行員さんとのファーストコンタクト
さて、やって来ました、塩対応との噂で有名な?クルンタイ銀行に。
銀行の店内に入ると、結構な人が待っていました。
無機質にポツンと置かれた整理券発行機で順番レシートを受け取ると、155番。
その時は124番の人が呼ばれていたので、30人以上が待っていることになります。
この時点で、なんとなく塩対応の香りが。。。
雰囲気としては税務署に来たような感じで、いかにもタイのお役所仕事といった臭いがプンプン。
見ていると、行員さんの作業はのんびり。。。
お客さん一人の処理に、毎回、結構な時間が掛かっています。
結局、20分くらい待たされ、ようやく私の順番が回って来ました。
今回の訪問は、口座開設の他に、会社事務所の土地事業税の支払いも目的でした。
役所から届いた土地事業税の請求書とお金を行員さんに渡した後、私個人の新規口座開設もしたいと申し出ると。。。
あからさまに、「めんどくせ」という目をされてしまいました。。。
マスクをしているし、まさに「目は口程に物を言う」ってやつです。
過去、いくつかの銀行で口座開設していますが、その際にはいつも、「喜んで~」という感じで親切に対応してもらえていたので、これはなかなかの衝撃です。
あれ?ここは微笑みの国タイランドじゃなかったっけ?
噂にたがわぬ塩対応に、「お見事!」と内心、笑ってしまいました。
知らないで行くと、さぞかし衝撃かと。
クルンタイ銀行の窓口は、そんなもんだと覚悟して行きましょう。
②実際の新規口座開設の様子
口座開設に必要な資料は、パスポート原本と労働許可証(ワークパーミット)、それと最初の入金用の現金のみです。
ワークパーミットについては、最近、紙の冊子ではなく、携帯アプリのデジタル情報になってしましました。
ですので、事前に、その画面(裏表の両面)を印刷した紙も一緒に持って行きました。
携帯画面を見せるだけだと、拒否されそうな雰囲気ですので、必ず事前に印刷した紙も準備して持って行きましょう。
その後、行員さんはPC画面に向かって、無言で情報を打ち込みながら、たまに私に質問が飛んできます。
容赦のないタイ語で、それもかなりぶっきらぼうな感じで。。。
タイ語が聞き取れない場合に、「え?何ですか?」と言うと、また「めんどくせ」の目をしてタイ語で再度言われ、それでも分からずに聞き返すと、「めんどくせ~(Max)」な目をして短い英単語で返して来ました。
そんな質疑応答を3回くらいやりとり。
毎度の塩対応がおもしろくて、思わず笑い出しそうになり、こらえるのが大変でした。
そしてようやく、通帳を渡されました。もちろん無表情かつ無言で。
ちなみに、ほとんどのタイ銀行では、残高が少ない場合、口座管理料が取られてしまいます。
また、半年以上、入出金がないと、口座が凍結されたりする場合もあります。
それらを回避するため、2000バーツ以上を口座に入れておくことが推奨されています。
ですので、私も今回、2000バーツを渡して、口座に入れてもらいました。
また、ATMカードですが、今回、私は作っていません。
ATMカードを発行すると、発行手数料や年会費が取られてしまいます。
(銀行により200~500バーツ程度)
クルンタイ銀行の口座を頻繁に使うことは考えていないので、ATMカードは無しにしました。
尚、もし現金を引き出したい場合には、ATMでカードレスで引き出せます。
携帯電話のアプリを使って引き出せるので、有料のATMカードの必要性を全く感じません。
ご参考まで、SCB銀行の場合ですが、カードレスでATMで現金を引き出す方法を以前に書きました。ご興味のある方は、ご一読下さい。
③クルンタイ銀行の携帯アプリの設定
先程のカードレスATMは、クルンタイ銀行の携帯アプリでも利用できます。
他の銀行への振り込み処理も、携帯アプリで利用できます。
ですので、今回、私も携帯アプリを使いたいと思い、設定を、行員さんにお願いしてみました。
すると、もう慣れっこになりつつある「めんどくせ」視線攻撃!!
でも、使えないと困るので、そんな攻撃は気にせず、携帯電話の画面を見せながら、レクチャーを受けました。
分からない画面が出て来て質問すると、「ここ押せ」と指先で無言の指示をされながら。。。
なんとか無事に設定完了。
これで一安心です。
【自分で携帯アプリを設定する場合の設定方法】
ちなみに、その設定方法を以下、ご紹介します。
自分一人でも充分できますので、行員さんの視線攻撃に耐えられない人は、自分でやってみて下さい。
まずは、上の写真のQRコードを携帯で読むと、クルンタイ銀行のアプリのダウンロード画面が出て来ます。
携帯電話のアプリダウンロード画面で「Krungthai NEXT」と入力して、検索するのでも良いです。
そして、そのクルンタイ銀行の携帯アプリ「Krungthai NEXT」をダウンロードします。
(1) ダウンロードしたアプリを開いた時の画面です。タイ語と英語の表示切替ができます。赤丸部分の「Eng」にしましょう。
(2) Wifi環境では設定ができません。Wifi設定は切って、携帯電話会社の通信を使いましょう。
クルンタイ銀行のキャラクターが満面の笑顔です。行員さんとのギャップに、ちょっと笑えます。
(3) この携帯アプリの利用条件の承諾画面です。「I accept~」にレ点チェックをして「Next」を押します。
(4) クルンタイ銀行からのニュースを受け取るかの同意画面です。必要ない場合、「Do not consent」にチェックを入れます。
(5) (4)の続きで、個人情報の使用許諾など、必要ない場合、「Do not consent」にチェックを入れます。
(6) (5)の続きで、最後に「Next」を押します。
(7) 個人情報を、個人認証の際に銀行が利用するとの同意画面です。レ点チェックを入れます。
(8) (7)の続きで、携帯アプリの利用条件への同意画面です。レ点チェックをして「Next」を押します。
(9) IDカードのカメラ撮影画面です。タイ人用です。日本人はタイのIDカードは普通は持っていないと思うので、撮影はせずに、「Enter Manually」を押します。
(10) 個人認証登録の画面です。赤丸部分の「Passport」を押します。
(11) パスポートの発行国「Japan」およびパスポートNo.を入力し、「Confirm」を押します。
(12) 携帯の位置情報の利用許諾の画面が出て来ます。「Appの使用中は許可」を押します。
(13) 携帯アプリを使用する際の暗証番号の登録画面です。任意の数字6桁で登録します。
(14) 再度、確認のための入力画面が出て来ます。先程と同じ、数字6桁を入力します。
(15) 銀行口座番号の入力画面です。通帳に記載されている口座番号(数字10桁)を入力し、「Confirm」を押します。
(16) 携帯電話番号を入力し、「Confirm」を押します。
(17) 携帯のSMSに、ワンタイムパスワード(OTP)のメッセージが届きます。
(18) 届いたOTP(数字6桁)を入力し、「Done」を押します。
尚、私のiPhoneでは、メッセージを確認するまでもなく、OTPが赤丸部分のように表示されていました。便利な機能ですね。
(19) 今後、アプリを利用する際に、指紋や顔認証の設定もできるようですが、「Not Now」で大丈夫です。アプリ利用時には、先程設定した暗証番号(数字6桁)で利用できます。
(20) 携帯アプリの画面の操作方法説明です。全部で5ページあります。「Next」を押して次の画面に進みます。
(21) 携帯アプリの画面の操作方法説明の2ページ目です。「Next」を押して次の画面に進みます。
(22) 携帯アプリの画面の操作方法説明の3ページ目です。「Next」を押して次の画面に進みます。
(23) 携帯アプリの画面の操作方法説明の4ページ目です。「Next」を押して次の画面に進みます。
(24) 携帯アプリの画面の操作方法説明の5ページ目です。「Next」を押して次の画面に進みます。
(25) ようやく初期画面です。これで携帯アプリの設定は完了です。
(26) 併せて、携帯のSMSに、アプリの設定が完了したとの内容のメッセージも届きます。
(27) 実際に、携帯アプリを使ってみましょう。赤丸部分の「Account」を押すと、残高確認ができます。
(28) 先程、設定画面で登録した暗証番号(数字6ケタ)を入力します。
(29) 現在の口座残高が表示されます。
(振り込み)
メニュー画面の中で、上部左の「Transfer」を押すと、他の銀行口座への振り込みができます。
(カードレスATM)
メニュー画面の中で、上部右の「Cardless ATM」を押すと、ATMで現金が引き出せます。
という訳で、クルンタイ銀行の携帯アプリの設定が完了し、私のタイ銀行アプリコレクションに、また一つ加わりました。
これで私の持つタイの銀行口座は、大手銀行5社が揃い踏みです。
ご満悦。 v(^-^)v
パソコンでのEバンキング設定
次に、パソコンで操作する場合のEバンキングのご紹介です。
クルンタイ銀行のEバンキングのログイン画面はこちらです。
まずは、新規のログイン設定が必要となります。
赤丸部分の「Register」をクリックします。
すると、携帯アプリの設定の時のように、必要事項の入力画面となります。
但し、その入力項目の中に、ATMカードの番号入力の項目があります。
私の場合、ATMカードは発行していないので、入力できません。
このATMカード番号は必須項目であり、結局、エラーとなってしまい、先に進めませんでした。
よって、パソコンでのEバンキング利用は断念せざるを得ませんでした。
パソコンでEバンキングを利用したい方は、ATMカードの発行が必須となりますので、ご注意下さい。
※ご注意:ATMカード発行には、発行手数料や年会費が掛かります。
まとめ
今回は、塩対応との噂で有名な?クルンタイ銀行で、新規口座開設した時の様子をご紹介しました。
噂にたがわぬ塩対応っぷりに衝撃を受けましたが、事前に噂を聞いていたので、むしろ楽しんでしまいました。
クルンタイ銀行は、所得税還付金の受け取りに唯一指定されている銀行であり、いつか使う場面があるかもしれません。
クルンタイ銀行の口座を新規開設される予定の方は、塩対応に負けずに、頑張って、口座開設をしてみて下さい。
また、携帯アプリの設定は、自分でも充分にできます。
あまりの塩対応っぷりに耐えられそうにない場合、今回ご紹介した設定方法を見ながら、自分で設定してみて下さい。
本日も読んでいただき、ありがとうございました。コープクンカップ。