サワディーカップ。タイ在住16年の「たきんにょ」です。
実は私、昔々、証券マンをやっていた時期がありまして、タイでの株式投資には興味がありつつも、なかなかきっかけと言いますか、踏ん切りが付かずにおりました。
と言うのも、タイの株式って、「乱高下が激しいイメージ」と、「そもそもタイの会社への株式投資なんて大丈夫?」と言う先入観を持っていた事によります。
しかし、新型コロナの影響による経済低迷で株価も下がっている中、もしや今が買いのチャンスなのでは?と思い立ちまして、始めてみる事にしました。
タイで株式投資する魅力
さて、タイで株式投資を始めてみようと思い立ち、色々と調べてみると、日本に比べて色々と魅力がある事が分かって来ました。
株式投資をやった事がない方でも、「タイ株式を始めてみようかな」と思える魅力を3つ挙げてみます。
①売買差益がなんと非課税。配当収入への課税は日本の半分。
日本では売買差益には20.315%課税されるのに対して、タイではなんと非課税!この差は大きい。
また、配当収入については、日本の20.315%に対してタイは10%課税となり半分以下!これも魅力!
②高配当の銘柄が多い。
タイの株式は、配当利回りが3%を超えるような高配当の銘柄が多く存在します。
もちろん会社の業績次第で配当額は変化し、株式購入価格により配当利回りは上下しますが、今まで高配当を続けている銘柄が多く存在しています。
例えば「PTTEP」と言う銘柄では、2020年11月6日現在、6%を超える配当利回りとなっています。
尚、日本ではお馴染みの株主優待制度はタイにはありません。その分、配当が高くなっているのかも?
③少額から取引が可能。
タイ株式の売買単位は100株に統一されています。
1000バーツ以下で買える銘柄もあり、日本と比べて遥かに少額から売買ができます。
まずは少額から投資の練習との事でも、タイ株式が始められます。
タイ株式市場の基礎知識
タイの証券取引所は、通称「SET」と呼ばれています。
取引時間は、午前(前場)と午後(後場)の2回に分かれています。
前場は9時55分から10時までの間に始まり、12時30分に取引終了。
後場は14時25分から14時30分の間に始まり、16時35分から16時40分までの間に取引終了。
日本の日経平均株価に相当するものでは、「SET Index」と言うものがあります。
ここ過去5年間の値動きは以下のような感じです。
タイ株式の主要銘柄には、タイに住んでいる人、来た事がある人にはお馴染みの会社名が多くあります。
タイ株式主要銘柄一覧はこちら。
証券会社選び
さて、みなさんどうですか?タイ株式をやってみようかなと思い始めました?
では次に、証券会社選びですね。
日本人が安心して株式取引するなら、やはり日本語サポートが欲しいと思います。
タイで日本語サポートをしている証券会社と言えば、下記の2社が有名です。
①SBIタイオンライン証券
日系の証券会社です。
日本の本社は、元々ソフトバンクグループの金融関連企業として1999年設立されましたが、その後2006年には、ソフトバンクグループから独立した証券会社です。
タイにおいては、2015年10月より、タイローカル証券会社のフィナンシアサイラス証券との合弁で運営開始し、2018年4月には、フィナンシアサイラス証券が保有していた全持分を譲り受けSBIグループ100%になった証券会社です。
※SBIタイオンライン証券のホームページ(日本語)はこちら
②KT-ZMICO証券
タイローカルの証券会社です。
元々は、タイの大手銀行であるクルンタイ銀行系列のKTB証券(KTBS)という会社でしたが、2008年にセアミコ証券からの出資を受けて、現在のKT-ZMICO証券へと社名変更した会社です。
全くのタイローカルですが、なぜか日本語サポートが充実している証券会社だそうです。
※KT-ZMICO証券のホームページ(タイ語、英語のみ)はこちら
どこの証券会社を選ぶのかは、お好みでどうぞ。
【ご参考】日本からもタイ株式が売買できます
日本におられる方へのご参考情報です。
SBI証券の日本のホームページを調べていたら、日本でもタイ株式が買えるとの情報を見つけました。
日本でのSBI証券の口座開設はこちらからも可能です
↓ ↓ ↓
SBIタイオンライン証券での口座開設、取引方法(体験談)
今回、私は、日系の会社だし、日本語のホームページも充実していたので、「SBIタイオンライン証券」で口座開設をしました。
正直、手間と時間が掛かり、想像してたよりも、ちょこっと面倒でした。。。
しかし、迅速かつ丁寧な日本語でのサポートのお陰で、無事に口座を開設できました。
①口座開設条件
・ タイに居住の方
(※日本を含む、タイ国以外の居住の方からのお申込みは承っておりません)
・ 年齢20歳以上の方
・ タイの銀行口座をお持ちの方
(バンコック銀行、サイアム商業銀行、カシコン銀行、アユタヤ銀行のいずれか)
・ タイの携帯電話番号をお持ちの方
・ タイの緊急連絡先をお持ちの方
滞在VISAとか、ワークパーミットとか、預金証明とか、と言ったような書類は不要です。
要は、タイに住んでいて、銀行口座を持っていれば良い、と言うような緩い条件です。
②口座開設の申し込み資料請求
まずは、ホームページの画面の中の「口座開設」の赤ボタンをクリックします。
そして次の画面で、資料請求のための、必要情報を入力して送信します。
すると、以下のようなEメールが届きます。
申請書類が2営業日以内に郵便で発送されて、送られて来るとの事ですので、それまでは、郵便ポストを日々確認しながら待ちましょう。
③口座開設の申請書類送付(郵便)
その後、郵便ポストを日々確認し、書類を待つ毎日。寝てど暮らせど全然来ない。。。
結局は私のミスだったのですが、住んでいるコンドミニアムの事務所には届いていました。
引っ越したばかりだったので、受け取りルールを知らずに、書類は事務所で眠ってしまっていました。。。
それに気付き、ようやく手にしたのは9日後。まぁ、仕方なしです。大した問題ではありません。はぁ。。。
そして、その封筒の中身には、4種類の書類が入っていました。
(1) 案内書(ご挨拶と申込要綱)
(2) 申込書の記入方法ガイド
(3) 申込書
(4) 返信用封筒
(1)と(2)については日本語で書いてあります。分かりやすくて有難い!
しかし申込書のページ数は12ページの冊子!
質問も多くて、正直ちょこっと記入が面倒。。。
そして、返信用封筒で送り返す書類は下記になります。
・記入済の申込書
・パスポート(顔写真ページ)のコピー×2枚
・銀行通帳(口座番号ページ)のコピー×2枚
(バンコック銀行、サイアム商業銀行、カシコン銀行、アユタヤ銀行のいずれか)
一通りの書類を揃えた後、郵便局に持って行き、発送しました。
そしてまた、連絡待ちです。
④本人確認のオンラインビデオ会議
郵便発送から3日目に、メール連絡が来ました。
申込書は受け付けたので、次は本人確認のオンラインビデオ会議を実施します。
なので、希望日時を連絡してね、と言う内容。
翌日希望の勢いでメール返信しましたが、結局、最短は6日後との事。。。
また、それまで待ちです。
そして当日は、ZOOM(オンラインビデオ会議システム)を使っての対面での面接です。
相手は、綺麗なタイ人の若いお姉さんでした。日本語も流暢ですばらしい!
ちょっと緊張してしまったせいか、その面接画面を保存するのを忘れてしまいました。。。痛恨のミス!
そして、その面接で聞かれた内容は以下。
・電話番号
・Eメール
・パスポート原本のビデオ内での表示
・勤務先
・役職
・株式取引の経験があるか
・反社会的勢力か
以上、5分で終了。
次のステップは、口座開設完了のお知らせと、システムへのログインIDとパスワードを別途メールするとの事。1週間後?
そしてまた待ちです。。。
⑤システムへのログイン
オンライン面接からちょうど1週間後、システムへのログインIDが書かれたメールが送られて来ました。
なぜか今回のメールは思いっきりのタイ語メール。。。
迷惑メールかと思って、捨ててしまいそうになりました。危ない危ない。
※「customer@sbito.co.th」からのメールは、件名がタイ語でも捨てずに必ず内容を確認しましょう!
そして、なぜかID連絡は来ましたが、肝心のパスワードの別メールが来ない。。。
1日待っても来ない。。。
どうにも仕方ないので、日本語サポート窓口に連絡です。
すると、ものの5分で返信をくれて、無事にパスワードもゲットしました。
対応が早い!すばらしい!!
※何か不安な事や疑問点などがあったら、遠慮せずに日本語サポート窓口に連絡しましょう!
ちなみに、パスワードの連絡メールも思いっきりタイ語です。間違えて捨てたりしないように注意しましょう。
そして早速、システムにログインです。無事にできました。
⑥銀行へのペイメントゲートウェイ申請
証券会社の口座に入金をするには、「銀行ペイメントゲートウェイ」の利用申請が必要です。
SBIタイオンライン証券のログインページ上から、入金処理をする際に、指定した金額を、自動的に銀行口座から引き落としして、証券会社に送金する事ができるようにするための処理です。
私の場合は申し込みの際に、SCB銀行を指定銀行にしたので、SCB銀行の場合の申請処理のやり方が書かれた、日本語マニュアルが、事前にメールで送られていました。
そのマニュアルに沿って、携帯電話のSCB銀行アプリで操作して、簡単に申請処理ができました。
同時にSCB銀行から、処理受付メールも届きました。こちらは全て英語です。
SCB銀行での申請処理が終わったら、先程の携帯の処理完了画面を、SBIタイオンライン証券にメールで送ります。
すると、3営業日ほど処理に掛かるとの返信が。そしてまた待ちです。。。
⑦銀行口座から証券口座への送金
そしてまた、寝てど暮らせど銀行処理完了の連絡メールが来ない。。。
1週間後、試しに入金処理と言うものを、日本語マニュアルに従って、やってみました。
なんと、もうできるではないですか!
もう。。。今回は連絡くれないし。
※銀行処理が完了したとの連絡はSBIタイオンライン証券からは来ませんでした。3営業日後、自分で試してみましょう!
と言う訳で、手始めに、証券会社のシステム上で20000バーツの入金指示をしてみました。
入金処理後すぐに、確認用のメールも届きます。(思いっきりタイ語メール)
そして、システムの取引画面でも、「Cash Balance(残高)」が20000バーツになっています。
これで、タイ株取引のための準備完了!あとはタイ株を売買するだけです。
⑧タイ株の購入
さて、いよいよタイ株の購入です。
何を買おうか迷ったのですが、株価が低く、そして今がどん底であろうと私が思っている、タイ航空の株を買ってみました。これからの会社再生への応援も込めて。
早速、日本語マニュアルに沿って、買い注文を。
すると。。。うわっ!
エラーが出てしまって、注文が入りません。なんでなんで???
と言う訳で、日本語サポート窓口に連絡です。
するとすぐに、丁寧なメール連絡をくれました。
なるほど~。。。
成り行き注文は、株式市場が開いている時間じゃないと出せないルールなんですね。
(日本の場合は、時間外でも成り行き注文が出せます。)
でも、指し値注文なら時間外でも注文できるんですね。知らなかった~。。。
と言う訳で、時間外での指し値注文をしておきます。
結果、買えました。タイ航空の株。
ログイン画面にも、保有しているとの情報が出て来ました。
そして翌日、売買明細がメールで送られて来ました。
手数料、安っ!
私が昔々、証券マンをやっていた頃は、売買手数料は、取引金額の1.15%でした。
それがSBIタイオンライン証券では、なんと「0.075%」とな?ビックリです。
今後、買った株の株価は上がるかなぁ?
もし下がったら買い増ししようかなぁ?
もう少しちゃんと勉強して、他の銘柄を買ってみようかなぁ?
基本、長期保有で考えていますが、今後の株価動向が楽しみでワクワクです。
まとめ
タイでの株式投資には興味がありつつも、なかなかきっかけがない方のために、今回、記事を書いてみました。
タイの株式には、日本には無いような、税金面の優位性、高配当利回り、少額投資可能と言った魅力もあります。
日本語サポートが充実した証券会社もあります。
口座開設の面倒はありますが、それも最初の1回だけの事です。
私の場合には、口座開設申請の赤ボタンを押してから、結局、株購入まで丸1ヶ月かかってしまいましたが。。。
そこはなんとか頑張って手続きして、その後、タイ株にチャレンジしてみるのも、楽しいかもしれません。
本日も読んでいただき、ありがとうございました。コープクンカップ。